YouTuber(ユーチューバー)は、子どものなりたい職業ランキングで上位にランクインするなど、時代を象徴する人気の職業です。そこで気になるのは、なぜ動画を配信してお金が得られるのかという、その仕組みです。YouTuberとは、どのような仕組みで収益が発生して稼ぐことができるのか、その秘密に迫ってみようと思います。
YouTubeとは?
「YouTube(ユーチューブ)」というのは、アメリカ合衆国・カリフォルニア州サンブルーノに本社がある世界最大の動画共有サービスです。
2005年2月にYouTubeが開設され、2006年10月にはGoogle によるYouTubeのM&A(企業買収)が行われてGoogleの傘下に入りました。
このYouTubeで動画を配信している人を「YouTuber(ユーチューバー)」といいます。
YouTubeを収益化する条件
YouTubeで動画を配信して、どのような仕組みで報酬が発生するのかというと、それはズバリ広告収入によるものです。広告収入の他にも収益化するサービスとして「スーパートャット」「チャンネルメンバーシップ」というものも用意されているので、詳しくは後述します。
2018年2月20日から、YouTubeパートナー・プログラムの参加基準が新しくなりました。旧基準と新基準は以下の通りです。
- 【旧基準】総再生回数:1万回以上
- 【新基準】総再生時間:年間4000時間以上
チャンネル登録者数:1000人以上
新しい基準では、チャンネル登録者1000人以上、且つ過去12ヶ月以内の動画の総再生時間が4000時間以上のクリエイターのみが収益化することができるということです。この改定により収益化の基準が厳しくなりました。
- 1年間=4000時間(240000分)
- 1ヶ月=約333.3時間(20000分)
- 1日 =約11.11時間(約667分)
収益化するためのサービスには、以下の種類があります。どのようなサービス内容なのか、一つ一つ詳しく解説していきたいと思います。
- 広告収入
- スーパーチャット(Super Chat)
- チャンネル メンバーシップ(Channel Memberships)
- マーチャンダイズ(Merchandise)
- プレミア公開(Introducing Premieres)
広告収入
動画が再生される前に広告が数秒流れたり、動画の下部に表示されたり、サイドバーに広告が表示されたりといったタイプの広告があります。
また、10分以上の長い動画をアップロードすると、冒頭だけでなく動画の途中(ミッドロール)にも広告を表示できます。故に10分以下の動画と10分超の動画では、何倍も収益が変わってきます。
広告単価は動画によって違いがありますが、1再生=約0.1円~約0.45円といわれています。
1再生あたり0.1円であれば単純計算すると、1000回再生されれば100円、10万回再生されれば10,000円です。
そして、この報酬額は常に一定というわけではなく、時期や季節によって単価が変動すると言われています。具体的には3、6、9、12月は高い傾向にあると言われていて、場合によっては1再生=約1円の広告単価となることもあるようです。
- 動画の時間
- ユーザーの視聴時間
- 動画ジャンル
スーパーチャット
「スーパーチャット(Super Chat)」は、視聴者がスーパーチャットを購入してチャットメッセージを目立たせたり、文字数増量オプション、場合によってはチャット フィード上部に固定することもできます。
主に生配信の時に使われて、視聴者がコメントにお金を乗せて投稿できる機能で、俗に「投げ銭」といわれています。
これにより、クリエイターは視聴者とのコミュニケーションを通じて収入を得られるということです。
スーパーステッカー
「スーパーステッカー(Super Sticker)」では、コメント欄に文字だけではなくスタンプも送信することが可能になります。
チャンネルメンバーシップ
「チャンネルメンバーシップ(Channel Memberships)」は、視聴者が月額会費4.99ドル(約540円)を支払うことによってチャンネルのメンバーとなり、会員バッジ、絵文字、その他のアイテムなどのメンバー限定の特典を受けられる制度です。また、クリエイターが独自特典を用意することも可能です。
これまで月額料金は4.99ドル一択でしたが、クリエイターが複数の会員レベルを設定できるようになります。これにより最大5つまでの価格の異なる会員レベルを設定できます。
YouTubeのヘルプによると、チャンネルメンバーシップはチャンネル登録者数が3万人を超えている、ゲームチャンネルの場合はチャンネル登録者数が1,000人を超えていることが利用条件であると記載されていました。
また、収益の分配率に関しては、地方自治体の売上税が控除された後のメンバーシップ収益の70%をクリエイターが受け取り、30%がYouTubeの取り分となるとのことです。
※ チャンネルメンバーシップは以前は「スポンサーシップ(sponsorships)」という名称でした。
マーチャンダイズ
「マーチャンダイズ(Merchandise)」は、クリエイターが独自グッズを制作して販売できるサービスです。当初は、クラウドファンディングから始まったオリジナルTシャツのメーカーであるTeespringとYouTubeが提携し、その後、CrowdmadeやDFTBA、Fanjoy、Represent、Rooster Teethなどが加わりました。
これによりクリエイターは、ロゴ付きTシャツや帽子、スマートフォンケースなど20以上のオリジナル商品を作成し、チャンネル内で販売することができます。
マーチャンダイズは当初、チャンネル登録者数1万人以上のアメリカ在住クリエイターが利用できるとのことですが、米国以外の国にも、徐々に展開していく予定とのことです。
プレミア公開
「プレミア公開(Introducing Premieres)」は、フォロワーやSNSユーザーに、これからアップロードする動画の公開日時などを予め告知することで事前集客することができる機能です。
クリエイターがアップロード前の動画についてプレミア公開機能を使用して設定すると、自動的に動画のランディングページが生成されます。そして、そのページへのリンクをInstgramやTwitterといったSNSなどと連動させることで、動画公開前から集客活動ができるという仕組みです。
公開前の動画の予告とそのカウントダウン、視聴者が参加できるライブチャットなどが提供されます。