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《お題》バレンタインの憂鬱

今週のお題「わたしとバレンタインデー」

ポイント

甘くてほろ苦い、スイート&ビターが入り交じるチョコレートの輪舞曲。

バレンタインの思い出

バレンタインに女性から男性へチョコレートをプレゼントするという慣習は、海外から入ってきた文化が日本で独自に発展して今の形になったそうで、世界から見ると日本のバレンタイン文化はユニークなもののようです。

バレンタイン発祥の国イギリスでは、男女いずれからもお互いに花やメッセージカードなどのプレゼントを贈り合うとのことですが、基本的には男性から女性へ贈りものをするのが一般的だそうです。友達や日頃お世話になっている人へのいわゆる義理チョコをプレゼントするという文化はありません。

ヨーロッパの多くの国々とアメリカは、イギリスと同じような感じです。細かく国ごとに特徴を見ていくと違った部分もあるようで、例えば、男女平等が浸透しているフィンランドでは、男女お互いにプレゼントを贈り合うそうです。ドイツでは、結婚や付き合っていない者同士がプレゼントを贈り合うのは有り得ないという感覚だそうです。愛の国イタリアやフランスでは、男性から女性へセクシーな下着を贈るのが普通にあるそうです。

以上のことから、3月14日のホワイトデーに男性から女性へバレンタインのお返しをするという文化も、日本で独特に発展していった文化ということが読み取れます。

学生にとってホワイトデーって微妙ですよね。昔は3月上旬に中学・高校の卒業式が多かったようですが、近年は3月中旬より前に卒業式を行う学校が多くなっているようなのです。(※Wikipedia調べ)

好き同士の本命チョコならホワイトデーにお返しのプレゼントを贈ることは自然な流れなので容易いですが、義理チョコのお返しとなるとちょっと難しいですよね。卒業式終わってるし、呼び出してプレゼントを渡すだけっていうのも何だか忍びないし、かと言ってカラオケかどこかに遊びに行くとなると、それってデートじゃん!てことになってややこしい。だったらいっそのことホワイトデーはスルーしてしまおうという人も中にはいるのではないでしょうか?

例えば、そう、あそこに悩める学生がいますね。「彼の場合」を見てみましょう。どんな結末になるか楽しみですね…

前日

バレンタインの前日、2月13日の朝はいつもと変わらず寒くて、いつもと変わらず布団から出るのに少し時間がかかった。

登校時間に間に合うギリギリの時間が迫ってくると、観念するように布団から抜け出して起き上がり、遮光カーテンを開けたのだった。

すると陽の光が全身に降り注いで、ほのかに温かさを感じた。眩しさに一瞬目を細めたが、その後すぐに見上げた空の青さに思わず心がときめいた。

わたしは、バレンタインの前日から明日のバレンタイン当日のことで頭がいっぱいだった。眠気が残っていたあたまが覚醒していく。そして、思った。今年はチョコレートを貰えそうな気がする。根拠の無い自信だが、今年は何かが違う、そう感じた。

寝癖など無いように、髪を洗って素早く学校へ行く準備を整える。不思議だ、早く起きても遅く起きても家を出る時間は一緒だ。いつもそう思う。そんなことを思いながら玄関の扉を勢いよく開けて、学校へと向かった。

学校へ着くと素知らぬ顔で机の中にフライングチョコが入っていないか調べた。手紙が入っているかもしれないことも考慮して、繊細かつ大胆に周囲に怪しまれないように3秒ほどで机の中全体を捜索したが、残念ながら何も入ってはいなかった。

ホームルームの鐘が鳴り、散らばって談笑していた者たちが自分の席に着くと、いつもの様に学校生活が始まったのだった。

その後もいつもの日常が過ぎて行った。たまに明日の話をする女子の会話が聞こえてきて、ソワソワしたが何事もないかのようにポーカーフェイスを決め込む。わたしには聞こえていない。滅茶苦茶聞き耳を立てているけど、聞こえていないふりをした。

放課後。意味もなく教室に残って窓際で友達と喋っていた。放課後もチョコを渡すチャンスがあるぞというアピールも兼ねてのことだ。

お喋りがなんとなく終わり、そろそろ帰ろうかと思っていると、渡り廊下に別のクラスの友達二人を見つけた。二人に声を掛けると、あえて触れていなかった言葉が返ってきた。

「よう、明日バレンタインだな」

クラスでバレンタインの話をすると、誰から貰えたら嬉しいかとか、好きな人は誰なのかなどと話題を振られて面倒なことになるが、こいつらなら、まあ、いいだろう。話に付き合うことにした。

話をしていると、やっぱり好きな女の子の話になった。ここで言わないでいると、こいつのことだからモテそうな女の子の名前を片っ端から言っていって反応を見るというメンタルゲームになってしまう。だからわたしは、先に10人ほどの名前を挙げて、意中の相手は本当は1人だけなのに、木を隠すなら森の中的発想で遊び人風を装った。

ふうん。と言った感じでそいつは聞いていたが、そこへ、いま名前が挙がった中の一人の女子が通りかかった。

「ねえ、こいつお前のこと好きなんだって」

は!?こいつ馬鹿なのか?しかも本命の子じゃん!と思い、わたしはパニクった。頭が一瞬真っ白になって驚きに支配された。「は?いきなりどうした?」と、今ここでそんな話はしてなかったけど、こいつは面白半分で冗談で言ってるんだぞ感を出して、わたしは半笑いで返した。

同時に、いや待てよ。ここは返事を聞いてみて、振られるようだったら「こいつの冗談だよ」ということにして、もしもOKだったらそれはそれでいいじゃないか。と思った。

わたしは、その子の瞳を覗いた。その子は驚いた顔をしていたけれど、そんな表情もとても可愛いかった。もともと大きな目が驚きで更に大きくなって、キラキラと輝く宝石のようだった。

すぐに平静を取り戻したその子は、笑顔を見せた。いきなり話しかけられて、そして内容が内容だけにビックリするのも無理はない。冗談交じりの馬鹿な代理告白、そんな空気が漂ってるはずだ。

わたしは黙ってその子の言葉を待った。

「本当?」

発せられた言葉は、最もな言葉だった。だがしかし、この馬鹿ならこう言うだろう。

「本当だよ」

ほら、やっぱり。こいつとは気が合うから行動が読める。わたしは黙ったまま、その子の次の言葉を待った。

おっと、せっかく筆が乗ってきたところなのに、誰か来たようだ。続きは来年のバレンタインデーにでも書こうと思います。学生の話ですが、中学なのか高校なのか、あえて書いていません。